2006年05月26日

JR東海も新型ATS導入へ

自動列車停止装置(ATS)の更新について(JR東海の公式発表資料)

 JR東海が新型ATS「ATS-PT」を導入することを発表しました。
 導入するのは同社の在来線全区間で、2011年度までに導入するとのことです。
 同社はこれまで新型ATS導入に否定的で、旧型ATS「ATS-ST」の地上子を増強することにより保安度向上を図ってきました。
 (ただし、その対策は十分なものとは言い難い状況でした。十分な対策をこうじることは、技術的には不可能ではないものの、効率的ではないため、あえて行わなかったものと思われます)
 それだけに今回の新型ATS導入決定は、かなり画期的なものと思われます。
 ATS-PTに関して、現時点では詳細な情報がありませんが、おそらく以下のようになるのでは…と、私なりに勝手に想像してみました。

☆設置形態
 おそらく、多くの区間では「拠点設置」となるのでしょう。
 (大まかに言うと、「ATS-PTは絶対信号(駅構内などの信号)のみに設置し、閉塞信号(駅以外の区間の信号)には設置しない(ATS-STのみを設置する)」という意味です)
 (ちなみに、JR東日本のATS-PsやJR西日本のATS-Pも、多くは拠点設置となっています)

 JR東日本・西日本などの状況を見る限り、5年間で全ての信号に対して新型ATSを設置するのは非常に困難であると思われます。
 また、運転本数の多くない区間では、閉塞信号にまで新型ATSを設置するメリットはさほど大きくないものと思われます。

☆機構
 恐らく、「ATS-P」(JR東日本・西日本で導入)または「ATS-Ps」(JR東日本(東北・信越地区)で導入)の、どちらか一方と互換性のあるシステムとなるのでしょう。
 (両者の機能に大差はありませんが、両者には互換性がありません)
 明確な結論は出せませんが、ATS-Pと互換性を持たせる可能性の方が高そうな気がします。

>ATS-Pと互換性を持たせた場合
(メリット)
・JR東日本・西日本のATS-P搭載車両やJR貨物のATS-PF搭載車両が、JR東海区間でもそのままATS-P(ATS-PF)を使用できる
・JR東海のATS-PT搭載車両が、JR東日本・西日本区間でもそのまま(あるいは多少の対策を施して)ATS-PTを使用できる

(デメリット)
・地上装置に関して、現在使用されている「ATS-ST」との親和性が低く、その分、設置費用が割高になる

>ATS-Psと互換性を持たせた場合
(メリット)
・地上装置に関して、現在使用されている「ATS-ST」との親和性が高く、その分、設置費用が割安になる
 (ただし、地上子の種類が比較的多く、JR東日本では設置の際に図面作成で苦労したという話もあり)

(デメリット)
・JR東日本・西日本・貨物からの乗り入れ列車にも、ATS-PTの搭載を求める必要が生じる

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ラベル:JR東海 ATS
posted by たーしー at 00:04| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月13日

公正中立報道 vs 利害・偏向

「報道の自由、報道しない自由」〜異なる意見の交換こそ民主主義の基本
 毎日新聞(5/10夕刊)に、↑のようなエッセイが出ていました。

 私は、「新聞業における特定の不公正な取引方法(新聞特殊指定)の見直し」(以下「指定見直し」)に必ずしも賛成するわけではなく、また、↑のエッセイを特別に支持するわけでもありませんが、私が最近気になっていたことをある程度代弁してくれているような気がしました。
 以下、私が気になっていたことを(とりとめもなくですが…)述べていきます。

 公正取引委員会が最近、指定見直しを検討していることに関して、新聞各紙は一斉に反発しています。
 私がここ数ヶ月、色々な新聞を読んだ限りでは、「指定見直しに反対する意見」を紹介した記事は数多く見かけましたが、「指定見直しに賛成する意見」を紹介した記事は見かけませんでした。
 唯一の例外として、公正取引委員会委員長の主張を紹介した記事がありましたが、これはあくまでも「当事者側の主張」であり、「第三者の主張・意見」ではありません。

 「指定見直しに賛成する意見」が新聞に紹介されていないからといって、国民みんなが指定見直しに反対であるとは考えにくいものです。
 上記のような状況を見て、新聞各社の作為(=「自分たちに都合の良い意見だけを報道し、世論を操作しよう」という意図)を感じ取った読者は決して少なくなかったことでしょう。

 「新聞社は民間企業なのだから、自分たちの利害に応じて報道方針・報道内容を決める権利がある」と言われれば、確かにその通りでしょう。
 しかし、普段は「公正中立・不偏不党の報道」「不正暴露による社会正義の実現」等をうたっている新聞各社が、いざ自分たちに火の粉が降りかかると、途端に偏向報道を行うという状況では、世間や読者の信頼を得ることは難しいでしょう。
 そのような状況では、「この記事もあの記事もきっと、新聞社の利害関係で色々と脚色・偏向があるんだろうな…」と世間や読者に勘ぐられ、結果的に、新聞各社の担っている社会的役割(「不正暴露による社会正義の実現」等)も十分に果たせなくなる恐れがあることでしょう。

 (余談ながら、「利害関係による偏向報道ぶり」を私が感じ取ったのは、JR福知山線事故に関する報道でした。
 この件では「JR西日本の保安設備の旧式ぶり」がやり玉に上げられましたが、JR西日本と大差ない状況にある某社の設備が、あたかも最新設備であるがごとく持ち上げられていました。
 この件に限らず、この某社に関しては、否定的な報道が普段から殆どなく、同社首脳を「改革の騎手」のように持ち上げる報道も目立ちます。)


 と、つまらない余談はさておき、毎日新聞が今回、「指定見直しに関する報道」に関し、第三者の意見を紹介したことに関しては、敬意を表したいと思います。(本来は勿論、新聞社として当然あるべき姿勢なのでしょうが…)
posted by たーしー at 21:16| 東京 ☔| Comment(3) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月07日

60年目の日本国憲法

 (以下の記事は、やや観念論に偏っているきらいもありますが、ご容赦願います)
 5/3に書こうとして書けなかった記事ですが…
 日本国憲法が施行されてから、3日で59周年を迎えました。(今年の11/3には公布60周年を迎えます)
 大日本帝国憲法(1889年発布・1947年改正;58年間存続)よりも長持ちしてしまったのですね。

☆護憲・改憲

 憲法記念日には例年、「護憲派」と「改憲派」がそれぞれ集会を開き、それぞれの持論を声高に表明する…というのが慣例化していました。
 最近は憲法改正の気運が高まり、具体的な改正案が(9条に限らず)様々な角度から議論されています。
 そのような状況なので、今年の憲法記念日の集会はこれまでと違った状況になるかな?…と予想していました。
 でも、各種報道を見る限りは、例年と大きく違わない状況だったようですね。
 (大まかに言って、護憲派は「9条を改正させない」「憲法を一字一句変えさせない」という意見表明が多く、改憲派は「9条を改正して自衛軍を持たせる」「復古調の改正(国民の責務の増加等)を目指す」という意見表明が多かったように見受けられました)
 ただこれは、マスコミの取り上げ方が従来の「護憲派 vs 改憲派」の図式に囚われすぎていたのかもしれませんね。(実際にはもっと複雑に意見が分かれていたのではないかと思われます)

 ちなみに私は、上記で言うところの「護憲派」でも「改憲派」でもないので、今年の報道ぶりはもどかしく感じました。
 今後は、更に多角的な取り上げ方を期待する次第です。

 (憲法改正に対する私の意見ですが、簡単に言えば、「9条1項の改正は反対、2項の改正は賛成」「復古調の改正は反対」「環境権・プライバシー権の創設は賛成」「国会や裁判の制度改正は賛成」というところです)


☆国民投票法案

 与野党(自民・公明・民主)で議論が続いているようですが、通常国会での法案成立は困難なようですね。
 国民投票法案に関して、小泉首相はさほど関心がないらしく、法案成立のための会期延長も望み薄なようですね。

 この法案に関して、与党では現在のところ、自民・公明・民主の3党で共同提出する方針とのことですが、この方針は是非とも貫いていただきたいと思います。
 昨年9月の衆議院総選挙では、憲法改正問題は主たる争点となりませんでした。
 (多くの有権者も、この問題についてあまり熟慮せずに、投票政党を決めたことでしょう)
 現在の衆議院では、与党が圧倒的多数の議席を占めていますが、憲法改正問題に関する限り、この議席数が有権者の意志であるとは限りません。
 このような状況を勘案すると、与党が野党を振り切って、単独で法案を提出・成立させてしまうことは、たいへん危険といえるでしょう。

 もちろん野党側にも、「反対のための反対」は慎み、建設的な議論を与党側と行っていただきたいところです。
 社民党・共産党の「国民投票法は憲法改正につながるので反対」という態度をとっていますが、私は賛成できません。
 憲法には改正規定があるのですから、それに関する手続き法(国民投票法など)を作らせないというのはそもそもおかしな話でしょう。
 憲法改正に反対するのであれば、手続き法に従って、改正反対の意思表示をすれば良いのですから。
 社民党・共産党には、「改正反対の意思表示がしやすいような、より良い手続き法」を作るための議論に加わって頂きたいところです。
 このまま手をこまねいていて、「いつの間にか自民党ペースで議論が進み、改正反対の意思表示がしにくい手続き法ができていた」ということにならないように…

 国民投票法案には現時点でも、改正賛否の「逐条 or 一括」、メディア規制、投票年齢下限(18歳 or 20歳)など、自民党と他党で意見の分かれている問題があります。
 この法案に関する議論を拒否しているということは、下手をすれば、(両党と最も対立する)自民党案の実現に(消極的ながらも)手を貸していることになりかねない…ということに、社民党・共産党には気づいて頂きたいところです。
posted by たーしー at 22:18| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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