2006年01月09日

都営地下鉄駅員への覆面調査

 朝日新聞1/7報道によると、東京都交通局で現在、地下鉄駅員を対象とした風土改革研修が行われているとのことです。
 詳しいことは記事コピーをご覧頂くとして、概要を以下に掲げておきます。(あくまでも「記事曰く」です。その内容が正しいか否か、私は知りません)

(1) 駅員の接客態度について、民間研修会社の職員が覆面で(乗客を装って)調査を実施。
 →現在は一部の駅のみで実施。今後拡大予定。
(2) 覆面調査結果を、月1回ごとの現場リーダー研修で報告。(個々の一般職員に対する指導については言及なし)
(3) 調査(と研修?)実施について、当初は職員の反発(「なぜ笑顔応対が必要なのか?」という類)も強かった。
 →当初は(5段階評価で)「1」ばかりだった。
(4) 最近は調査(と研修?)の効果が出てきたのか、職員の態度に改善が見られている。(民間のサービスにはほど遠いが…)
(5) 東京メトロは業績が好調だが、都営地下鉄は赤字続き。

 以下、この件に関する私の意見です。

(1)' 駅員の接客態度の実態を把握するには、覆面調査が確かに一番効果的でしょう。
 ただ、覆面調査という方法は一歩間違えると、労使の信頼関係に悪影響を及ぼす危険性もはらんでいるので、調査やその後の研修に当たっては、相当の慎重さが必要であると思われます。
 「いつどこで我々(一般職員)の行動を監視されているか分からない」という状況は、「仕事に対する緊張感をもたらす」という効果がある一方で、「上層部は我々のことを信頼していない(人間として尊重していない)のでは?」という不信感を生むリスクも抱えています。
 調査結果の芳しくなかった職員に対して研修・指導を行う場合も、それが懲罰に終始し、十分な教育的効果をもたらすものでない場合は、上記の不信感は更に増幅されることでしょう。(JR西日本の例を持ち出すまでもなく)
 労使の信頼関係が良好でない職場では、積極的に業務改善を行う機運も生じにくく、長い目で見れば、組織にとって大きな損失となるおそれがあります。

(3)'(4)' これについては、都営地下鉄の実態を正しく述べていないな…という感想を持たざるを得ません。
 都営地下鉄には何年も前から、民鉄各社に劣らぬ接客態度で良質なサービスを提供している職員が相当数いたと、私は認識しています。
 (確かに、「態度がなっていないな…」と感じてしまう職員もいないわけではありませんでしたが、「5段階評価で1ばかり」というのは言い過ぎでしょう)
 職員の態度がより良くなってきているのは確かかもしれません。ただ、それは決して「調査・研修の成果」だけによるものではなく、多くの心ある職員の自主的な取り組みにも大きく依存しているものと、私は考えています。

(5)' 東京メトロと都営地下鉄では、経営環境が異なるので、業績について単純比較するのは無理があるでしょう。(簡単に言えば、東京メトロは乗客の多い地域の路線をつくり、都営地下鉄はそれ以外の路線をつくってきているので)
 ちなみに、運転・維持管理等の基準単価・基準コストについては、東京メトロよりも都営地下鉄の方が多少低いくらいです。
 (記事中に「メトロ=堅実、都営=放漫」との記述はありませんが、言外にそのような雰囲気が漂っているように感じられたので、あえてコストについても触れさせていただきました)
posted by たーしー at 21:50| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
地下鉄の経済効果はどこの都市も同じですが、やはり歳月が経つに連れて沿線開発の状況で赤字路線と黒字路線の差が出てくる面があるのもまた、同じですよね。クルマが主体で地下鉄路線の少ない地方では地下鉄に限らず、バスや路面電車と言った公共交通機関全てとのアクセスを合わせてみても同じで、やはりアクセスの良さが重視されます。

また、乗客にもゆとりが大事かな・・とも感じてきました。時間に追われて過ごして来た元・東京人である私が、今こうして冬場はダイヤの乱れやすい雪国に住む様になってからは、例え遅れてもゆとりを感じる様になって来ました。

今年の豪雪は雪国でも悲鳴をあげてますが、バスについてはあまり多くない冬でも路面状況でクルマがノロノロ運転になるので、1時間も遅れる事があります(かく言う私も、こうして分かっていても急いでいる時に大都会の感覚で行くとついイライラしてしまいますね・・・(^^;)。
Posted by N1-Max北斗 at 2006年01月14日 08:20
N1-Max北斗さん>
 コメントありがとうございます。
 私も地方在住経験がありますが、やはり東京とは時間の流れ方が多少違ったかもしれませんね。
 (電車の本数が少ないので、来る15分前には駅に着いて待合室でマターリしていたとか…)

 乗客がゆとりを持つことは、都市部においては厳しいものがあるかもしれませんが、それでも「ゆとりを持とう」という心がけは大切でしょうね。
 (私も「何でこんなに時間がかかるんだよ!」などとカリカリしてしまうことがしばしばありますが…)
 (ハード面・ソフト面とも)あまりにも余裕のない体制には、事故やトラブルがそれだけ発生しやすいと思われるので。

 交通事業者の経営者には「安全運行や真心サービスを維持するのに最低必要な余裕」というものをきちんと勘案した上で、適正な合理化や労務管理を行って頂きたいところです。(経営者がきちんとやろうとしない場合は、きちんとやるよう、労働組合がしっかりと要求する必要があるでしょう)
 「切りつめても良いもの」と「切りつめてはいけないもの」をきちんと区別し、切りつめてはいけないものまでをも「切りつめろ」と要求する外部の人々に対しては、切りつめられない理由を丁寧に説明することも必要でしょう。
Posted by たーしー at 2006年01月15日 15:22
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