2006年04月27日

京王線にもATC導入へ?

◆沿線駅周辺開発を積極展開/06年度設投額グループで570億/京王電鉄(建設通信新聞4/27)

 ↑の報道によると、京王電鉄にもATC(自動列車制御装置)が導入される予定のようです。(記事の末尾部で一言だけ言及)
 ネット上では最近噂されているものの、同社からの公式発表はまだなく、装置仕様や導入区間などについて、具体的なことは分かりません。
 ただ、私が勝手に推測するに、以下のようなものなのでしょう。

(1) 装置仕様… 都営新宿線のものと同一仕様、または互換性のある仕様
(2) 導入区間… 京王線(運転密度の高い区間から徐々に導入)

☆(1)について
 京王線では現在、ATS(自動列車停止装置)が導入されています。
 京王線ATSは、信号器の現示に対応した速度制限情報を、地上子を通じて車両側に送信しています。
 速度制限情報をいったん受信すると、次の情報を受信するまでは現在の情報が記憶され、速度超過時には自動的にブレーキがかかります。
 このシステムでは、前方の信号が上位の現示に変わっても(制限速度が上がっても)、その地上子を通過するまでは遅い速度で運転し続けなければなりません。

 いっぽう、京王線と相互乗入を行っている都営新宿線では、「デジタルATC」が導入されています。(2005年に導入)
 これは、JR京浜東北線・山手線へ導入が進みつつあるデジタルATC("D-ATC")のシステムをほぼ踏襲しています。
 D-ATCや都営新宿線デジタルATCは、停止信号までに安全に停止できる速度を車両側で計算し、それに応じてブレーキを自動的にかける機能を持っています。
 停止信号までの距離情報は、地上設備側からレールを通じて車両側に送信されます。
 (地上設備側からはこの他に、地点情報(軌道回路・距離程)が、レールや地上子を通じて車両側に送信されます)
 (ちなみに、各地点ごとの(カーブやポイントなどの)速度制限情報は、車両側でデータベースを持っています)

 都営新宿線デジタルATCは、従来のATCや京王線ATSに比べ、スピードアップが容易に図れるというメリットがあります。
 (「車両性能に合わせ、停止信号ギリギリまで高速度を維持できる」ことが理由です)

 京王線では現在、都営新宿線に乗り入れる車両に対し、都営新宿線デジタルATCを搭載しています。
 京王線にもこれと互換性のある仕様のATCを導入すれば、「スピードアップと安全性向上の両立」の他、設備の有効活用にもつながります。
 (ATCとATSの保安度に関しては、別の機会に述べたいと思います)

☆(2)について
 一気に全区間へ導入されることはないでしょう。
 ATCはATSに比べ、大がかりな設備になることが多く、導入コストが割高になる傾向があります。 
 一口に「京王線」といっても、運転密度は区間により相当の差があります。
 デジタルATCの導入効果が特に高い区間(=運転密度の特に高い区間)から優先的に導入していくと考えるのが自然でしょう。

 ちなみに、ATCを既に導入している私鉄としては、東急が挙げられます。
 東急も、全線で一気に導入したわけではなく、導入効果の高い区間から徐々に導入しています。(一部路線では現在でもATSですし…)
 東横線も2004年1月までは、菊名を境にしてATCとATSを切り替えて運転していました。

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posted by たーしー at 22:24| 東京 🌁| Comment(2) | TrackBack(1) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 京王線にも遂にD−ATCですか。入るなら大歓迎ですね。京王線は慢性的に遅延していて、かつ遅延をあまり取り返せません。前々から原因としてはATSの仕様が大きいとは指摘されていました。しかも、全体的にケチった設備のため、余裕もあまりないですね。「ケチ王」という蔑称も付くほどです。

 私はそんなには嫌いではないのですけれども、遅れが新宿線にも度々波及していたので、導入されるなら大賛成です。

 当分は調布を境に入れるのではないかなと思います。

 これに刺激を受けて、小田急も入れて欲しいですね。あそこも駅進入時の速度が大変低いですから。
Posted by 3京新聞 at 2006年04月28日 22:25
 3京新聞さん、コメントありがとうございます。
 (ATC・ATS関連の記事でコメントを頂いたのは久しぶりなので、その面でも嬉しいところです)

 小田急線のATSも、京王線のものと(互換性はありませんが)類似の仕様なので、同じような悩みを抱えているようですね。

 運転密度が高い区間には、D-ATCと同一または類似仕様のデジタルATCを導入することが理想的ですが、多くの路線ではコスト面の理由でなかなか難しいのでしょうね。

 JR中央線の場合は「ATS-Pを導入し、運転密度が高い区間には地上子をこまめに設置する」という方法をとりましたが、私鉄でもこれに近い方法をとるところが出てくるかもしれませんね。

 ちなみにD-ATCとATS-Pは、「停止信号までに安全に停止できる速度を車両側で計算し、それに応じてブレーキを自動的にかける機能を持つ」という点が共通であり、高密度運転区間で特に威力を発揮します。
Posted by たーしー at 2006年04月28日 22:53
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