2006年05月13日

公正中立報道 vs 利害・偏向

「報道の自由、報道しない自由」〜異なる意見の交換こそ民主主義の基本
 毎日新聞(5/10夕刊)に、↑のようなエッセイが出ていました。

 私は、「新聞業における特定の不公正な取引方法(新聞特殊指定)の見直し」(以下「指定見直し」)に必ずしも賛成するわけではなく、また、↑のエッセイを特別に支持するわけでもありませんが、私が最近気になっていたことをある程度代弁してくれているような気がしました。
 以下、私が気になっていたことを(とりとめもなくですが…)述べていきます。

 公正取引委員会が最近、指定見直しを検討していることに関して、新聞各紙は一斉に反発しています。
 私がここ数ヶ月、色々な新聞を読んだ限りでは、「指定見直しに反対する意見」を紹介した記事は数多く見かけましたが、「指定見直しに賛成する意見」を紹介した記事は見かけませんでした。
 唯一の例外として、公正取引委員会委員長の主張を紹介した記事がありましたが、これはあくまでも「当事者側の主張」であり、「第三者の主張・意見」ではありません。

 「指定見直しに賛成する意見」が新聞に紹介されていないからといって、国民みんなが指定見直しに反対であるとは考えにくいものです。
 上記のような状況を見て、新聞各社の作為(=「自分たちに都合の良い意見だけを報道し、世論を操作しよう」という意図)を感じ取った読者は決して少なくなかったことでしょう。

 「新聞社は民間企業なのだから、自分たちの利害に応じて報道方針・報道内容を決める権利がある」と言われれば、確かにその通りでしょう。
 しかし、普段は「公正中立・不偏不党の報道」「不正暴露による社会正義の実現」等をうたっている新聞各社が、いざ自分たちに火の粉が降りかかると、途端に偏向報道を行うという状況では、世間や読者の信頼を得ることは難しいでしょう。
 そのような状況では、「この記事もあの記事もきっと、新聞社の利害関係で色々と脚色・偏向があるんだろうな…」と世間や読者に勘ぐられ、結果的に、新聞各社の担っている社会的役割(「不正暴露による社会正義の実現」等)も十分に果たせなくなる恐れがあることでしょう。

 (余談ながら、「利害関係による偏向報道ぶり」を私が感じ取ったのは、JR福知山線事故に関する報道でした。
 この件では「JR西日本の保安設備の旧式ぶり」がやり玉に上げられましたが、JR西日本と大差ない状況にある某社の設備が、あたかも最新設備であるがごとく持ち上げられていました。
 この件に限らず、この某社に関しては、否定的な報道が普段から殆どなく、同社首脳を「改革の騎手」のように持ち上げる報道も目立ちます。)


 と、つまらない余談はさておき、毎日新聞が今回、「指定見直しに関する報道」に関し、第三者の意見を紹介したことに関しては、敬意を表したいと思います。(本来は勿論、新聞社として当然あるべき姿勢なのでしょうが…)
posted by たーしー at 21:16| 東京 ☔| Comment(3) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 身内がマスコミ関係者ながら書いてしまいますが、私は特殊指定見直し賛成です。そもそも同一紙同一価格は再販(再販売維持契約・・・制度ではありません)が認められているからであって、特殊指定はあまり関係がありません。

 特殊指定を除くと何やらかんやらという意見が根強いのですが、逆に特殊指定があるためにサービス競争や価格競争、内容競争など本来の競争原理が働かず、押し紙などを生む原因になっているのだと思います。長期購読しても何も優遇されませんし、変だと思いますね。雑誌などでは長期購読すると郵送料込みでも大幅に割り引かれるんですが、新聞社・代理店は長期購読者を引き止めるどころか各社間でたらい回しにするのがお好きなのではないかと思うほどです。

 さらに特殊指定を除くと過疎地域で配らなくなるという意見があるのですが、じゃぁ優勢民営化はどうなの?って思ってしまいます。他の業種では競争すれば良くなると煽っておいて、何故新聞業界だけ違うんでしょうか。どうも御都合主義だとしか思えません。

 今回、公正取引委員会には政治的な干渉を排除して自主的に判断してもらいたいと思っております。
Posted by 3京新聞 at 2006年05月15日 01:02
ちょっと訂正します。
×「逆に特殊指定があるためにサービス競争や価格競争、内容競争など本来の競争原理が働かず、押し紙などを生む原因になっているのだと思います。」
 ↓
○「逆に特殊指定があるためにサービス競争や価格競争、内容競争など本来の競争原理が働かず、拡張団などの押売りが横行し、そのくせ販売店には押し紙をするなど、そういった土壌を生む原因になっているのだと思います。」

失礼しました。
Posted by 3京新聞 at 2006年05月15日 01:46
 3京新聞さん、コメントありがとうございます。

(この記事の主旨からやや逸脱して恐縮ですが…)
 新聞拡張団の押売りには、私も対処に苦労したことが少なくありません。
 (顧客サイドから見れば)無理難題を要求していると取られても仕方ないような手法での売り込みが横行しているきらいはありますね。
 「1年後からの購読を予約させられる」ようなこともしばしばあり、(あまり先々のことを縛られたくない性分の)私はその都度拒否しますが、それでもしつこく食い下がられますし…

 通常の競争原理が新聞業界にも働くようになれば、通常の商品と似たような顧客獲得が容易になることでしょう。
 そうすれば、無理な手法での顧客獲得を行う必要性が薄れ、現在見られるようなタイプの押売りも減少していく可能性はあるかもしれませんね。(素人考えで恐縮ですが…)

 もっとも、「通常の競争原理を新聞業界へ導入することにより、プラス効果(競争促進によるサービス向上)とマイナス効果(個別配達体制の衰退)のどちらが顕著に現れてくるか」について、私は答えを出すことができません。
 ただ、私が想像するに、恐らくは地域的な差が大きいのでしょうね。
 指定見直しを実施するとなると、「大都市圏から先に指定解除を実施し、それ以外の地域については当面、指定を継続する」→「その後徐々に指定解除地域を拡大する」という流れになっていくのでしょうか…
Posted by たーしー at 2006年05月15日 22:27
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