2007年09月01日

横浜市職員の学歴詐称

507人に停職1カ月、横浜市が学歴詐称で処分(日経8/31報道)

 横浜市では、「実際には高校よりも上級の学校を卒業していながら、"高卒である"と偽って採用されていた職員」507名に対し、停職1ヶ月の処分を課すことを発表しました。
 行政サービスに支障を来さぬよう、処分は9〜11月の間に分けて実施されます。
 また、処分を受ける職員に対しては、停職期間中はボランティア活動に参加することを促すとのことです。

 横浜市の「技能」職員(ゴミ収集、バス運転等、現業系の業務に従事する職員。以下「現業職員」とする)の採用試験は、「高等専門学校、短大、大学卒は受験できない」と規定されています。
 このようなルールがある以上、「高校よりも上級の学校を卒業した人が、その事実を伏せて採用試験を受けること」は、言うまでもなく不正行為です。
 従って、事実が発覚すれば、失職または免職になっても反論の余地はないでしょう。(恐らく、横浜市当局も当初は、「対象者全員を懲戒免職とする」方向で考えていたのでしょう)
 ただ、実際にそれをやってしまうとあまりにも影響が大きいので、今回は「期限日までに自己申告したものは停職1ヶ月、それ以外のものは懲戒免職」というところに落ち着いたのでしょう。

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 …と、ここまではごく当たり前のことを述べてきましたが、ここからは私なりに抱いている問題意識を述べていきます。

 現業職員の採用試験を「高等専門学校、短大、大学卒は受験できない」と制限することが、果たして合理的であると言えるのか、私は疑問に感じています。
 「高校よりも上級の学校を卒業していること」が、現業系の業務を行う上で障害になるとは、私は考えていません。

 私の職場では、現業職員の採用試験について、上記のような制限は設けられていません。従って、大卒の現業職員も相当数在籍しています。
 しかし、「大卒の現業職員の職務遂行能力が、高卒の現業職員よりも劣っている」という事例は、少なくとも私の知る限り存在しません。
 むしろ、「大卒の現業職員が、大学で学んだ専門知識を職務遂行に活用し、職場活性化にも大きく寄与している」という事例を、私は数多く見てきました。
 ちなみに私の職場では、「現業職種から事務・技術職種へのコース変更試験」というべき制度があり、毎年、相当数の合格者を出しています。(学歴を問わず)
 これらの合格者は、事務・技術職員になってからも、現業職員の時代に習得した「現場の勘」をフル活用し、「机上の空論に陥らない、バランス感覚のある業務遂行」により、大いに成果を出しています。

 以上のような事例を勘案すると、「現業職種=高卒」「事務・技術職種=大卒」という区分は、古い固定観念に過ぎないのではないか…という気がします。
 採用試験において、横浜市と同様のルールを設けている官公庁や企業に対しては、「そろそろ、ルールの変更(具体的には、私の職場並のレベルまで制限を緩和・撤廃すること)を検討しても良いのでは…」と、私は考えます。
ラベル:学歴
posted by たーしー at 22:40| 東京 ☁| Comment(1) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 御存知の通り、民間では、単純作業・肉体労働に近い職種や、封建的な徒弟関係が強い現場ほど、高学歴の人を求めない傾向があります。これには、学歴が関係ない職種だからという理由の他に、そういう職種では高学歴の人ほど使いにくいからという、本音の部分の事情もあるはずです。
 しかし、産業が高度化・ソフト化した今では、そうした種類の求人は大幅に減っています。一方で、民間の場合は採用・不採用は(合法的な範囲で)自由裁量ですから、臨機応変に応募資格外の人を採用する事も可能ですが、(建前上は)透明性が求められる公務員の採用で同じ事をしようとしても、限界があります。
 そこで、労働市場で需要が少ない高卒者の就職先を確保するため政策的に、公務員のうち高卒でも遂行可能な職種については、対象者を高卒に限定しようという判断は、あり得ると思います。
 民間で出来ない事を政策として行うのが政府(自治体も含む)であるのなら、民間でと違う人事を行って労働市場の適正化を図るのも政府の役割だと思いますが、如何でしょう?
Posted by ゴエン at 2007年10月21日 23:45
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